茜色の出口

相変わらず落ち着かない日々です。

年内に静かに深呼吸できたらいいなと、そんなことを思いながら過ごしています。

息抜きにnoteを眺めると、ここも文化の場ではなくSNSなんだなぁと、しみじみ感じます。

何かに目を向けている間は、自分を見なくて済む。
でも、それってもったいない。

見るものを変えて、ありのままを書けば、そこには物語が立ち上がる。
それが、書く人なのだから。

昨日見た風景を、ここに置いていきますね。

空に、茜色が染み出していた。

スーパーの硬い床が、

足の裏に響く。

子供の手を引いて、急いでいる人。

汚れた作業着で、俯いている人。

割引の惣菜を、かごに放り込んでいく人。

列になって、レジへ向かう。

数字を淡々と打ち込む、バイトの手元。

カートの前輪が、進行方向とは関係なく、

止まりかけのコマのように、くるくると回っていた。

照明の明かりが、

銀色の陳列棚に反射して、歪んでいる。

出口の手前。

店の中を、遠くまで見る。

子供の笑い声だけが、響いていた。

誰も、顔を上げなかった。

外へ出ると、

月が高く、ぼんやりと浮かんでいるだけだった。

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