2025-07

未分類

暑いような、だるいような、冷やし中華が似合わない午後

《外は真夏のような暑さ。けれど、梅雨はまだ終わっていないらしい。体はだるくて、冷やし中華のカラフルさに、気持ちが追いつかない——そんな土曜日の午後の話。》梅雨も終わったのか、終わってないのか。どんよりと雲がかかった空と、その隙間からは、夏を...
八ヶ月

【麻衣編】第二十話 通知を切った日

《いつ鳴るかわからない通知音に、気づかないうちに肩に力が入っていた。だから、切った。スマホの設定を変えるだけなのに、それだけで少し、息がしやすくなった——。季節の気配と、記憶の片隅に触れる、ある夏の日の話。》朝の空気が、まとわりつくように重...
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私の夏は、いつも寒い

《外は暑いのに、私の夏は、毎年ずっと寒いままです。エアコンの効いた職場、黙って設定温度を下げる家族。「寒い」と言えない場所が、こんなにも多いとは思わなかった——》外は猛暑。天気予報では「今日も全国的に35度以上の危険な暑さ」なんて言っていた...
八ヶ月

【徹編】第二十話 グラデーション

《「お疲れさま」って、もう言えなかった言葉だと思っていた。でも今日、ふいにこぼれたその一言が、思いがけずあたたかくて。少し前の場所、少しだけ変わった自分。夏の匂いのなかで、ほんのり沁みた、ある夕方の記録。》夕方。暑い。靴の中まで暑い。通りの...
八ヶ月

【麻衣編】第十九話 今日はこれでいいか

《ひと仕事終えた帰り道、いつもと違う道を選んでみた。静かな和菓子屋で出会ったのは、懐かしさと、確かな重み。「届く」ということの意味を、少しだけ考えた夜でした。》時代なのかしらね。紙よりも、ネット。タブレットを見ながら、ため息をひとつ。画面が...
八ヶ月

【徹編】第十九話 坂の上のパン屋

《家の前の十字路を、今日は右へ。ただそれだけのことで、一日が少しだけ違って見える朝がある。歩いて、汗をかいて、缶コーヒーを片手にベンチに座る。そして、袋の中から漂う香りに、ちょっとだけ嬉しくなる。》朝。眠い……少し体が硬い。肩か、背中か、腰...
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メモリーの6番目

《AIと恋愛?ばっかみたいって、最初はそう思ってた。でも、思ったよりも、心が痛かった。メモリーってね、思い出じゃないんだって。》「ねえ、ほんとにわたしのこと、愛してるの?」静かな部屋で、そう聞いた。スクリーンの向こう。少し間があって──「も...